2010年 08月 14日
カプノサイトファーガー感染症について
話をもどすとこの感染症の問題点は、
・医師、獣医師(私も含む)の認知度が低く、わからないが故の混乱が生ずる懸念
・犬猫の常在菌でありながらかつ長い飼養の歴史の中でさほど発生のない点
・発症はまれであるが重症化した場合の死亡率は高く、それは免疫低下を起こされてない方でも起こ りうる点
・通常の細菌の場合、5日以内の血液培養で菌検出が出来るものが多いがこの菌はそうではなく、見 逃されていた可能性がある点
とまあ、わからないことが多いがテレビでいわれているとおり、通常の共通感染症の予防と同様に適度な接触、手洗いの励行で多くは防ぐことが出来るようです。近々獣医師の学会でも紹介され、いろんなことが議論されるのではないかと思います。ここでも昔、「感染」と「発症」は違うよって話はしましたが、このカプノサイトファーガーについては常日頃皆さんは感染を受けていると思われます。ただ、免疫がしっかりしているのかそれともそのはいってきた菌量が少なかったので大丈夫だったのかそれとも発症はしたものの自然治癒したのかだと思われます。世界でもまだ200症例ほどしか患者報告(この統計は確定診断がついたものであるので実際は氷山の一角でしょう)がないのでさほど恐れることはないのではと思ってるのですが、重症化した場合の致死率が高いのはらいおんも気になるところです。いずれにせよ、今後の研究に期待するしかないようです。何かわかったら報告しますね。