2015年 02月 06日
ウサギ避妊手術
ワンちゃん猫ちゃんを飼われている飼い主さんは避妊去勢を当たり前のようにされていますね。そう実はウサギも避妊手術をすることでグッと長生きすることができるのです。
鳥さんやウサギさんはオスの方が長生きなのはどうしてでしょう。それは繁殖性疾患がメスには多いからです。ウサギさんの場合3歳で50%、5歳で80%が子宮疾患を持つことがいわれています。
メスウサギさんは5、6才から血尿なんかが出始め、大出血その後突然死ということも多いです。ウサギさんは猫と同じで交尾によって排卵が起こる交尾排卵動物なので交尾をしないと発情が続くんですよね。だから子宮が充血した状態が続き腫瘍性疾患になりやすい。オスのウサギはそれがないため、7、8才を超えるようなうさぎも珍しくなくなってきました。
我々もそしたらどうしてもっと避妊手術を勧めなかったのかそれは技術的な原因がありました。手術の際に犬猫と違って気道の確保が非常に難しかったのです。
ですからマスクを使って手術をしていました。マスクだと呼吸が止まったりすると非常に怖いです。それでも何とかなるのですがまれにうまくいかないこともある。避妊手術で死んじゃったってのはあってはならないことだし、獣医師自身もかなりへこむのです。
ですが今年に入ってそれを救う救世主が現れました。犬猫とは少し違うのですが気道の確保ができるようになったのです。海外で売られるようになりこの秋には日本でも販売されるといわれていたのですがなかなか情報がなくて私は我慢しきれず個人輸入することにしました。
ホントは動画アップするつもりはなかったのですが説得力があるかなと思い添付します。
しっかり動画の中で波が出てきたと思いますがあれが炭酸ガスの濃度を山の波で表現した物です。これで私も安心して避妊手術を推奨できます。でもね、なかなか避妊手術をという患者さんがあらわれないのが現実です。まだウサギの手術に抵抗があるのでしょうね。
犬はよく子宮蓄膿症という病気を聞きますし、猫は発情するとニャーニャーうるさいし、必然的に飼い主さんのモチベーションがあがるのですが・・・ウサギはねえ。オスのように長生きするようになるんですよってアピールすればいいでしょうか?安全に麻酔管理ができるようになったんですよってね。
話が長くなりましたが今日ショックだったのは日本でも発売されるようになったこと。これは素晴らしいのですが私は海外から個人輸入、1本347ドル(日本円で1ドル117円として40599円)で購入しました。高いでしょ!!
犬猫の気管チューブは3000円ぐらいなのに。それはいいんだけど特殊だからでもね、日本で購入できるようになったってお伝えしましたよね。なんと1本28000円!!涙でしょう。滅菌(消毒の凄いバージョン)して40回まで再利用できますので十分元はとれるのですが・・・最近ウサギを飼い始めた皆さんは是非手術を考えてみられてはいかがでしょうか???
犬猫を含めてメリットデメリットを当院のホームページで確認できます。
あ、また事務処理ができなかった・・・・・涙、涙
フードにしてもそうなんですよね…。人間が口にすることが可能なものしか使っちゃいけないとか…。人間が口にできる=安全だと断言はできないけど、自分がその目で見てみて、「これは食いたかねぇな!」と思うものは、やっぱり飼ってる動物にはやりたくないのが本心。
松山に来てみまして、なんとなく…ですけれど、「所詮、動物だからねぇ…。あきらめてくださいな。」という感じの獣医師さんに出会うことが多いのも、また、事実。
そんな中で、「ウサギさんの気道確保」にまい進された先生を、尊敬します。
…ウサギさんの飼い主さんにとって、福音です!
広めましょう!ぜひ!